10月の中旬、昔からの友人と阿蘇へツーリングに行ってきました。
日程は3泊4日、観光はせずに、ただひたすら走りました。
私はゆっくりのんびりツーリングするのが好きです。友人はとにかく飛ばします。
まったく速度レンジが違う2人ですが、交通量が少なく信号が無い安全な田舎道を好むという点は同じです。
友人は関東以外の道は不案内なので、おおよその道筋は私が決めました。
今から3か月ほど前、友人は様々なストレスを受けたようで疲れた顔をしていました。私は冗談というか気分転換になればと思い、
「もし時間が空いたら3泊4日で阿蘇まで行くか?私は暇なんで前日に連絡すれば翌日出発でもOKだ」
と伝えました。友人は多忙な人間ですし、どうせ行かないだろうとタカをくくってました。しかい友人は猛烈なスピードで仕事を処理し、
「出発するぞ!」と私に電話して来まして驚きました。
昔、私が若かった頃、ベテランのライダーに質問した事があります。下記のような会話です。
「40歳を超えると、バイクに対するスタンスは変化しますか?」
「アドレナリンがほとんど出なくなるよ」
当時の私は本当だろうかと疑いましたが、本当に興奮しなくなり穏やかになりました。昔では考えられませんが、
免許はゴールドです。
友人はまったく違います。いつもアドレナリンが噴出しているのか猛烈な速度で加速し、この前、速度超過で捕まりました。
一緒に走っていてもすぐに離されて見えなくなります。やはり人間の個性というのか特性というのは様々なのだな~と感心します。
ツーリングの途中、とある3桁国道の峠の入り口付近に、通行止めの看板が立っていました。しかしポールやコーンなどの
障害物はなく、時間制限で通行止めなのか、復旧が殆ど終わっていけるような状態なのか、難しい状態で迷いました。
林道関係者の迷惑になってはいけないと思い、迂回して目的地の宿に行こうと友人に伝えました。
しかし久しぶりの長距離ツーリングで超絶ハイテンションになった友人は、
「行けるトコまで行って、ダメならUターンすりゃいいじゃん!行こう!」と先に進みました。
今までの経験上、3桁国道の峠道ですから、災害の後の路面は荒れて石や木など転がっているでしょうし止めようとしたところ、
友人は先に進み追いつけず諦めました。案の定、大きな石が転がり砂は浮き、なんでこんな道を走るのかとウンザリしました。
暫く走ると、下の画像のように土砂が崩れていました。友人はジャンプして乗り越えましたが、私は先が見えませんし
オイルパンを打って自走不能になるのを恐れ、わずかに残っている脇道をバイクを押しながら進みました。
すぐ下はガケで冷や冷やしましたが、友人はニヤニヤして私を撮っていまして、なんという男だろうかと呆れました。
もうUターンして戻るべし。と伝えましたが、脳内のアドレナリンが噴出しまくっている友人は、
「駄目なトコまで行ってみよう!」と聞きません。昔からこういう性格だったのを思い出して諦めました。
すぐ先で、倒木が道路を塞いで行く手を阻んでいました。さすがに諦めたようですが友人は元気です。
日は暮れて薄暗くなり。いま来た石だらけの道を戻るのかと思うと、私はゲンナリしました。
私と友人の性格は正反対で、まったく違う人間です。しかしバイクやツーリングが大好き。というのは共通しています。
楽しい趣味は様々な性格を許容するのでしょうか。