平成人国記 ~ ツーリングで感じる地方ごとの特色

日光東照宮

以前、ツーリングの途中に日光の東照宮によりまして、歩いて眺めていると、近くで関西弁が聞こえてきました。

「やっぱ東照宮は凄いな~」
「歴史を感じるな」
「立派だよね」

上記の会話は全て関西弁でしたが、私は関西弁に不案内ですので、標準語で表しています。

私のステレオタイプな関西人に対するイメージは、人情味があって面白く、
東京や関東に対する敵愾心が強いといったものです。
私は関西の方と親しくする機会が無かったので、なんでそんなイメージを持っているのだろうかと
我ながら不思議に思っていたのですが、おそらく子供の頃に読んだ、大阪人を描いた漫画の影響だと思います。

そういった狭いイメージを持っていますので、東照宮を褒め称えている会話に驚きました。
関西の方でしたら、おそらく、

「こないな金ピカで下品な神社はないわ~」
「こんなん滋賀の田舎寺にも劣るで」
「太閤はんを裏切った家康らしく、建物もエゲつないわー」

という会話をしてくれるだろうと期待していたので残念でした。
という事を、母方の田舎が大阪である同僚に話しましたら、
「それは私の叔父くらいまでの世代の話ですよ。大阪にいる私より年下の親戚の子は、
みんな東京に行きたいと言ってますよ。」

と言ってまして驚きました。

 

以前、関西のとある場所、確か大阪か奈良だったと記憶してますが、そこでマラソン大会が行われていまして、
道路を走るランナーの為に、道路は一部封鎖されていました。警官が信号を制御し、
信号はずっと赤のままで、私を含めた待っていた人々はイライラし、怒号も飛んでいました。
そんな空気のなか、一人の中年の男性が小走りに警官のそばまで向かい、警官をかるく叩き、
「お前な、ええ加減にせえや(笑)」とつっこんでいました。その後、警官は
「知らんな~」と返事してまして、場の空気は一変して、みな和み笑っていました。

 

地方性は滅んだといいます。昔の事は知りませんが、ツーリング中で得た私の狭く限られた経験ですと
良い意味で変わった地域と言えば、信じられないくらい人が良い陸奥と、ユニークな関西でした。
この二つの地域は、このまま変わらずにいて欲しいと願っています。